地域に点在する気になるモノやコト。
それは大切な資源であり
「未来のお宝」かもしれません。
地域資源を探して、見つけて、
さらには地域資源の気持ちになって考えて、
新しいアイデアや問題の解決策を
探ってみませんか?
地域資源クエストとは
「地域資源クエスト」は地域資源を見直すワークショップです。「みつめなおし」「まなびなおし」「おもいおこし」「みなおし」「つなぎなおし」「ふりかえり」の6つの構成でフィールドワークやディスカッションを行います。地域資源に対し深い理解と新しいアイデアの創出を目指します。地域資源クエストはオリジナルのシートを使用します。PDFデータをダウンロードし、紙に出力してご使用ください。地域資源クエストを通して地域への疑問や課題に対し、アイデアの発見や具現化を目指してみませんか?ふとしたところに眠っている未来の“お宝”を見つけだしましょう!
用意するもの
- □地域資源クエストシート(ダウンロードして使用してください。)
- □鉛筆やペンなどの筆記用具
- □付箋(考えやメモを書き込み、クエストシートに貼って使います。)
クエストをはじめてみましょう!
アイスブレイク
自己紹介をしましょう。
自己紹介シートを使い、グループで自己紹介をしあいましょう。クエストへ向けて緊張をときほぐします。また、3章で使用する「ペルソナシート」記入の練習にもなります。
地域資源の“みつめなおし”
地域資源を探しに
フィールドワークへ行きましょう!
ここでは地域資源を見つけにフィールドワークに出かけます。様々な視点から地域を眺めてみましょう。多くの発見があると思います。ヒアリングや資料での調査も有効です。可能な限りメモをとり、積極的に情報を収集しましょう。
[記入内容]
参加者 | 参加者氏名、職業を記入しましょう。※1グループ4〜6人程度を推奨。 |
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対象とした地域 | グループで対象とする地域を決め、フィールドワークを行います。フィールドワーク中に、気になった地域資源(複数可)について住民や関係者にヒアリングを行い、歴史や現在の使われ方、課題などの詳しい情報を収集しましょう。 |
対象としたもの | フィールドワークで気になった地域資源のなかから、対象とする地域資源を1つ選びましょう。 |
地域資源の“まなびなおし”
フィールドワークで得た情報を
おさらいしましょう。
数多くある地域資源の中から1つを選び、地域資源調査シートを用いて深堀りしていきましょう。途中わからないことがあればすぐに調べましょう。また、付箋などの小道具を活用し、多くの意見や調査結果をメンバー間で共有してみましょう。
[記入内容]
対象 | 1章で選んだ地域資源を記入しましょう。 |
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場所 | 地域および、選んだ地域資源が存在する場所(周辺環境)を記入しましょう。 |
ストーリー | 地域資源がいつ誕生し、どのように利用され、どのような役割を担ったか等の歴史的な情報を記入しましょう。 |
人 | 地域資源の運用に関わる人を記入しましょう。 (例:草履→職人 産直市場→行政、市民、農家) |
状況 | 現在の地域資源の使われ方や役割、価値を地域資源周辺の状況も含め記入しましょう。 |
課題 | 地域資源の現状を踏まえた問題点や課題と思われることを自身の見解を含め記入しましょう。 |
地域資源の“おもいおこし”
地域資源の気持ちになって
考えてみましょう!
選んだ地域資源に思いを込めて擬人化をしていきましょう。地域資源に成り切ることがポイントです。シートの項目はオリジナルの内容にカスタマイズしても構いません。
[記入内容]
名称 | 対象とした地域資源を記入しましょう。 |
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キャッチフレーズ | 地域資源のキャッチフレーズを考えましょう。 |
年齢 | 地域資源がいつからどのくらいの期間存在しているかを記入しましょう。 |
居住地 | 地域資源が存在する場所(地域名、施設名、土地名など)を記入しましょう。 |
職業 | 地域資源の使われ方や詳細を記入しましょう。 |
交友関係 | 地域資源を取り巻く周辺環境の特徴を記入しましょう。 |
趣味 | 地域資源の働きやどのような点で役立っているかを考え記入しましょう。 |
嗜好 | 地域資源が好むことを「職業」「趣味」などを参考に想像し記入しましょう。 |
価値観 | 地域資源がもつ特有の価値を記入します。さらに地域への想いを想像し記入しましょう。 |
ライフスタイル | 四季や歴史の中での存在の仕方や変化を記入します。 また、特有のスタイルがあれば合わせて記入しましょう。 |
性格 | 地域資源が人々に与える印象を想像し記入しましょう。 |
願望 | 地域資源が地域や人々に抱く「したい」「されたい」といった願望を想像し記入します。 |
地域資源の“みなおし”
地域資源の過去–現在–未来に
ついて整理し再検討しましょう。
ここではクエストシート使用します。地域資源になりきって、地域資源の思いを描いていきましょう。ワークショップでは、ブレインストーミングの手法を意識しながら、アイデアを数多く出しましょう。
[記入内容]
□マップの「縦軸」と「横軸」について
縦軸…地域資源の状態
用途 | 地域資源の使われ方と状況。 |
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価値 | 地域資源の特有の価値と特徴。 |
立場 | 地域資源の社会や環境における立ち入りと関わり方。 |
やる気 | 地域資源のその時々の気持ちの変化。 地域資源の気持ちになって想像しましょう。 |
願い | 地域資源のその時々の願い 地域資源の気持ちになって想像しましょう。 |
横軸…時間の経過
誕生(過去のこと) | 地域資源が生まれたとき。 |
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発見(過去のこと) | 地域資源の価値が見出され始めたとき。 |
評価(現在のこと) | 現在。 |
再考(現在のこと) | 現状を整理し、見つめ直すとき。 |
創造(未来のこと) | 新しいモノ・コトへと生まれ変わるとき。 |
□記入の際のポイント
誕生の列 | フィールドワークで収集した情報を元に記入します。 |
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発見の列 | 地域資源が価値を有し人々に知られるようになったときです。フィールドワークで収集した情報から該当する時期とその時期の状態を記入します。 |
評価の列 | フィールドワークで実際に見た地域資源の現在(現状)の姿や集めた情報から検討し記入しましょう。 |
再考の列 | 誕生から評価の列の記入事項を分析し創造の列を検討するための整理を行います。用途の欄には使われ方の変化から今後のより良い姿を検討します。[立場]の欄では過去から現在を踏まえて、残すべき価値や活かすべき価値、そして新しい価値を検討し未来の理想の姿を検討しましょう。 |
創造の列 | 新しいモノ・コトを考えます。これからのあるべき姿を検討しましょう。 |
地域資源の“つなぎなおし”
アイデアの具現化を
めざして整理しましょう。
「クエストシート」の「創造」の部分で出たアイデアから1つを選び、モノやコトへの具現化を考えていきましょう。アイデアを磨き上げていく時間です。
[記入内容]
資源 | 対象とした地域資源を記入しましょう。 |
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テーマ・タイトル | 閃いたアイデアにテーマとタイトルをつけましょう。 |
コンセプト | アイデアのコンセプト(キャッチコピー)を考えましょう |
ターゲット | どんな人に利用してほしいかと考えましょう。 |
価値・特徴 | 地域資源の活かすべき価値や特徴を考えましょう。 |
現状の課題 | フィールドワークや4章で気付いた地域資源の今の課題を整理しましょう。 |
理想の状態 | 現状の課題から理想の姿や状態を考えましょう。 |
内容 | 閃いたアイデアの詳細をテキストでまとめましょう。 |
イメージ | 閃いたアイデアをイラストや図で整理しましょう。 |
地域資源の“ふりかえり”
クエストを振り返ってみましょう。
グループごとにプレゼンテーションを行いアイデアを共有しましょう。また、質疑応答を行いそれぞれのアイデアについて理解を深めましょう。
クエストの終了、
新たなクエストへ!
ここまでで地域資源クエストは終了です。このクエストをきっかけに、さらに地域資源への理解を深め、新たな資源の発見や活用方法を探り、地域資源の良い循環について考えていきましょう。
ダウンロード
地域資源クエストの背景
地域には、自然資源、文化資源等多くの資源があります。近年では、そうした資源が見直され、地域づくりに活かす動きも見られています。しかし、地域に点在する資源を発見し、価値を評価するということは容易ではありません。そのため、多くの地域資源が日々失われていることも事実です。
地域づくりの現場を見て感じたことは、地域資源の価値を評価し、活用する主体である人と人とがつながる機会の重要性とその方法論を検討する必要性です。特に、地域資源を評価する視点は、世代間で異なります。
地域に思いを馳せる多様な人々が、如何にその価値を共有し、新たな価値を共創していくかが、地域資源の活用のポイントです。そこで、ユーザーの体験をデザインするUX(ユーザーエクスペリエンス)分野において用いられるジャーニーマップの手法を援用して制作したのが、この「地域資源クエスト」です。地域を探求(クエスト)しながら、先人に持つ知恵や技を、現代的センスをあわせ、魅力ある地域の創造に役立てるべく、コンテンツを改良しながら、ワークショップを繰り返しました。その成果として、地域資源自体を主体に捉えたワークショップ手法を編み出しました。
プロジェクトメンバー
■コアメンバー
- 佐々木 秀之 (宮城大学 准教授)
- 菅原 香織 (秋田公立美術大学 准教授)
- 宮本 愛 (東北工業大学)
- 田澤 紘子 (仙台市市民文化事業団)
- 大沼 正寛 (東北工業大学 教授)
■支援メンバー
- 桃生 和成 (一般社団法人 Granny Rideto)
- 高橋 結 (宮城大学復興人材育成室)
- 吉田 和樹 (宮城大学地域資源マネジメント研究室)
- 渡邉 竜也 (渡邉デザイン)
「地域資源クエスト」は、科学技術振興機構社会技術研究開発センター(JST-RISTEX)「持続可能な多世代共創社会のデザイン」の研究採択課題「農山漁村共同アトリエ群による産業の再構築と多彩な生活景の醸成(研究代表者大沼正寛)」の研究成果の一部です。研究チームの活動は、ホームページ「この地に“技あり”プロジェクト」http://co-atelier.jp/をご参照ください。